サークル・史の会

第674回学習会

「幻の巨大商社鈴木商店と金子直吉」

日時:1月16日(日)午後1時30分~4時30分
場所:亀戸カメリアプラザ5階第2研修室
発表:淺野義次
参加:20名

 かつて神戸を拠点として目覚ましい経済活動を展開していた総合商社鈴木商店の歩みと、鈴木商店を長きにわたって率いた金子直吉について話をしました。
 金子は旺盛な事業意欲を有し、優れた情報分析能力や大胆な決断力によって鈴木商店を日本トップクラスの商社に育て上げました。
 また、工業を土台とする商業の展開ということを指向し、数多くの製造業も立ち上げました。鈴木商店は第一次世界大戦後の不況や金融恐慌の波にのまれて破綻しますが、現在も双日、神戸製鋼所、帝人、IHI等鈴木商店をルーツとする企業が幅広く活動を展開しており、鈴木商店の日本の貿易や諸産業の発展に対する貢献は非常に大きかったといえるでしょう。また、米騒動時に発生した鈴木商店本店焼打ちについても話をしましたが、この事件は新聞を中心とした風説の流布が大きな要因となりました。その一連の過程は今日のSNS等による風評被害を考えるにあたって、ひとつの歴史的先行事例となるものであり、そこから学べることも多いと思われます。
 コロナ禍の中ご参加頂きました皆様には、熱心にお聞き頂き誠に有難うございました。