2023年
日 時:4月23日(日)午後1時30分~4時30分
場 所:亀戸カメリアプラザ6階第3研修室
発 表:笛木隆雄
参 加:25名
熙代照覧は19世紀初頭における、江戸神田橋から日本橋までの760mの大通りを縮尺で写実的に俯瞰描写した12mの巻物です。路上には様々な商人や、職人、按摩、僧、芸能者、神官などが1,671名描かれています。
今回はここに描かれている人々の職業を紹介し、当時の庶民の生活ぶりを見ていこうとしました。まず、庶民の食生活は「一汁一菜」の白米中心の3食でした。前菜、菜、魚、味噌などの食材、水を売る棒手振りの商人は毎日、横町の軒先まで入ります。食材は必要な時に必要な分だけ買います。路上には惣菜、餅、菓子、飴、甘酒などを売る屋台、寿司、天ぷら、蕎麦を食べさせる屋台の商人がいます。また、江戸時代は徹底したリサイクル文化でした。木綿の衣類は古着売り屋から買い、擦り切れるまで着て、その後は竹を詰めて子供用に、それでも堪えなくなったらおむつや雑巾にします。廃品回収も徹底しています。ろうそくの残りを回収する業者がいて、新しく蝋燭にする業者がいます。古紙を回収する業者がいて紙をすいて再生紙とする業者がいます。糞尿をくみ取り農家に売る業者がいます等多種にわたる業者がいました。大工、左官、鳶などの職人集団も活躍しました。僧、盲人、芸人の集団もありました。おおくの庶民や職人が生き生きと賑やかに生活した時代でした。