2024年
日 時:9月15日(日)午後1時30分~4時30分
場 所:亀戸カメリアプラザ5階第2研修室
発 表:笛木 隆雄
3月学習会「江戸庶民の旅・前編」で江戸時代、農民や町人などの庶民が日本国中を盛んに歩き回った時代の話をしました。特にお伊勢参りは江戸中期頃から盛んになり、文政3年(1830)に参宮者が約500万人に達したほどでした。旅が誰にでも行けるようになった要因は陸路や水路、宿泊施設が整備されたことや庶民の生活が豊かになったこと等をお話ししました。
今回は日本橋から東海道を経て伊勢に向けて、江戸の人と一緒に歩きましょう。まづ、旅支度はどうするか、1日平均40kmも歩くのに不安はないか、旅の途中にどんな困難が待ち受けているのだろう。そして、旅の疲れを取ってくれる精進落としは楽しみだ。各地のうまいものはどのようなものがあるのだろう、皆のお土産は何が良いかな。 さあ、旅立とう。
[報告]
3月学習会は「江戸庶民の旅・前編」で、江戸時代前半は物見遊山の旅はなかったが、幕府は街道の陸路や水路や宿場の整備を図り、一方庶民の生活が向上してきたため、時代の後半はお伊勢参りを中心にした旅が盛んになってきたというお話をしました。
今回は、江戸から伊勢まで旅立ちしましょう。新幹線も飛行機もない時代、旅は「歩き」。
1時間4km、1日10時間歩いて、40km。江戸・伊勢間は126里(500km)で12,3日ひたすら歩きます。一度旅立ったら帰ってくるまで消息不通になってしまいます。旅行中で死ぬケースも多々あります。無事旅ができるよう、旅支度を整えましょう。道中手形、関所手形と現金は絶対必需品。その他必要な小物を出来るだけ身軽に携帯します。一方、旅で心得るべきことを書き記した本を事前に読んでおくことも肝心です。いざ旅が始まると、早朝から日没まで歩き、必ず宿場に泊まります。旅は容易になったとはいえ関所越え川越えの難関があり、自然の猛威もあり、街道に巣くう雲助・ごまのはい・盗賊・物乞いなどが隙あらばすぐ襲い掛かってきます。それでも旅の楽しみは多くあります。神社仏閣の門前にある歓楽街の「精進落とし」のバカ騒ぎ、旅籠の飯盛女の接待など。また、地場を活かした名物料理の数々、たとえば新居の蒲焼、丸子のとろろ汁、桑名の焼き蛤等々楽しいものです。死ぬまでには一度はお伊勢参りをしてみたい。
ご参加いただいた31名の方々、お聞きいただき有難うございました。