2026年
日 時:3月22日(日)午後2時45分~4時30分
場 所:亀戸カメリアプラザ5階第1研修室
発 表:広田 恭一
「カクテル・パーティー」は沖縄在住の作家大城立裕著の小説で昭和42年上期の芥川賞に輝きました。舞台は昭和38年の米国統治下の沖縄で、米国の物質文明で一見するとそれなりに豊かで繁栄しているように見える沖縄社会が実は複雑な利害・感情が渦巻く厳しい状況であることを余すところなく描き出した作品です。また川端康成、三島由紀夫ら選考委員の個性的な意見(選評)も併せて紹介し皆様と議論したいと思います。是非ご参加下さい。
*岩波現代文庫「カクテル・パーティー」(文芸189)を可能な方は事前にお読みいただければ幸いです。
[ 報告 ]
沖縄県在住の作家大城立裕が昭和42年に芥川賞を受賞したこの作品の意義について以下のようなことをお話致しました。
・米国の物質文明の影響で一見豊かで繁栄しているように見える沖縄社会が実は米国人、本土人、
沖縄人、中国人らの複雑な利害・感情が渦巻く様子を活写した。
・友好親善でいかに取り繕っても米国人が沖縄人を支配する構図は厳然と存在している。それは戦争中の日本軍対中国人の図式と同じではないか。
・日本文学は私小説が圧倒的だが、沖縄文学には本作のような社会派文学が存在している。
・芥川賞選考に当たった各委員の選評はいずれも読みごたえのあるものであったが、中でも三島由紀夫の指摘「主人公が品行方正で真面目過ぎるため返って説得力を削いだ。」というものは鋭いと思う。
*それだけに三島が約3年後自衛隊に乱入して割腹自殺という最後は理解し難い。
(参加者31名、広田恭一・記)