サークル・史の会

第620回 見学会

真夏に小江戸「佐原」を訪ね歩く
集合:JR成田線「佐原駅」改札外10時15分
天気:曇りのち晴れ
参加人数:11名 歩行距離:約10km
コース:出発~諏訪神社~東薫酒造~昼食~ボランティアガイドさんの案内で、忠敬記念館、忠敬旧宅、山車会館、および町並み散策
幹事:野沢 登巳雄

佐原駅に集合し、小雨が降る中諏訪神社へ。毎年10月に山車がでるお祭を開催する神社だが、夏のこの時期はほとんど人がいなかった。境内には長い石段があり雨が降っていて降りるのが少し怖かった。

江戸時代から続く東薫酒造にて工場見学。お酒作りは10月から4月までで今の時期は作っていない。初代が伊能家から酒造りを習って始めた。山田錦を35%まで精米して造られた叶がこの酒造の1番よいお酒。飲み口がすっきりしていてとても美味しいお酒でした。

当時としては最新の設備で、通常の酒蔵では狭い階段を登って上げたり下げたりが必要だが、この酒造では上から下に向かって作業が効率よく進められるようになっている。大吟醸叶もここで造られているが完全手造りで生産されている。樽は酒蔵用に作成されるため大阪造船など船製造会社など大型溶接を行なっている会社に発注するが、ちょっとした溶接の違いにより容量が異なるためタンクごとに数字が容量が異なっている。

昼食は自由に各自で取ることになっているが、幹事オススメのお店と江戸時代から続くお蕎麦やさんとに別れ、昼食を取った。江戸時代から続く昆布を練り込んだ黒切りが珍しい。

旧三菱銀行の建物に集合しボランティアガイドさんと一緒に町並散策開始。まずはユネスコ遺産になっているお祭のことを山車会館で説明していただいた。山車会館があるのは諏訪神社と並びお祭りが行われる八坂神社にある。入場料は伊能忠敬記念館と共通で800円。

人形が東京の人形師によって作成されていたこと、第二次世界大戦で人形師が出征し戦死者が多く出たため、大きな人形を作る技術が失われたことを聞いた。

人形は下から見上げるように作成されているため正面から見ると目が合わない。かなり精巧に作られている。江戸時代の人形も展示されている。

伊能忠敬生家。伊能家は佐原に7家あり役割を分担していた。忠敬が養子に入った家は名主で米屋。お米をそのまま売るよりもお酒にした方が儲かったためお酒にして江戸に販売していた。

記念館には忠敬所縁の品が収められている。忠敬は地図を作成しただけでなくよい施政者だったようで天明の飢饉が起こる前から不作になる予兆の話を聞き飢饉を予測し、事前に3年分の米を堺から購入しておき佐原では1人の餓死者も出なかった。食事を提供し、火山灰を取り除く作業をしてもらい、1年で元通りに米ができるようになった。他の地域ではまだ米ができなかったため高価な値段で取り引きができた。

町並みを散策し、いろいろなエピソードをお聞きした。何気なく通り過ぎてしまうような建物もガイドさんのお話を聞きながら歩くと興味深い場所となりました。
15:30頃にガイドさんとお別れ、バスで東京駅直行組と佐原駅から電車組に分かれて見学会は終了しました。